良いもんつたえ隊 【映画でじぶんを変えてゆこう】

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「君の名は。」良かったトコロ①【背景、映像美について】※ネタバレ注意

君の名は。」自分なりに分析してみましたので、良かった点から説明していきます。

 

背景でワクワクしました、小学生以来!!

全てのシーンが美しい

本屋の写真集コーナーに美しい風景~選という写真集がありますね。それに映し出される世界の絶景や空の写真を見ると、自然とその世界に誘い込まれて今いる場所から解放された感じになりませんか。「君の名は。」では最初から最後まで、そういう写真がスクリーン上でめくられていく感覚が続きました。また僕は、“良い写真は観た人の心に物語を想起させるもの”と考えています。「君の名は。」では背景もストーリーを語っていました。これは新海誠監督にしかできないことなのでは? 監督の作品(『秒速5センチメートル』が一番有名かな)はどれも背景が素晴らしいですね。この実績を踏まえますと、今後も(少なくとも)背景の美しさは期待できます。楽しみがあるのは人生を楽にしてくれますね(監督、病気に気を付けてください!)

個人的には三葉が最初に御神木に行くシーンが印象に残っています。草原のまんなかに御神木があって、スクリーン全体に緑が溢れているシーン。このシーンを観たとき不意に『となりのトトロ』を観たときの記憶(小学生くらいかな)がよみがえってきて。トトロの住んでる世界(森)をのぞいたときと同じワクワク感がありました。この年になってもファンタジーっぽい風景に胸躍るんだなあ、おどろき。

 

終盤のたたみかけるカットの連続がスリリング

秒速5センチメートル』を観たことがある人向けにもうちょっと。『秒速5センチメートル』は3つの短編の連作でしたね。1~3話の前半まで感情を溜めて溜めて溜めて、ラストで一気に(観ている人の)感情が爆発する作品というのが僕の印象です。その爆弾の導線に火をつけるのがラストのカットの連続(+歌)だったわけです。それぞれの登場人物の今や過去、無人の風景のカットが次々に入れ替わっていく。カットの順番は一見無作為のようでその実秩序立っている。新海誠監督の十八番なのでしょうか、君の名は。」でもこの演出は活きています。今作は思ってることを結構しゃべる二人が主人公なため感情が溜まるわけではないという点では違いがありますが、クライマックスのカットの連続には『秒速5センチメートル』以上に圧倒されました。

クライマックスの性格も違いますね。『秒速5センチメートル』の終盤は喪失感100%で、心にぽっかり穴があいた(というか心が抜き取られて体に空洞ができた)感覚になりました。一方「君の名は。」のクライマックスはですね、喪失感25%爽快感75%って感じでその疾走感が心地よかったです(そのあとの落ち着いたエピローグとのリズムのコントラストも秀逸)。

 

良かった点の紹介はまだまだ続きます!

では。

君の名は。 Another Side:Earthbound (角川スニーカー文庫)