良いもんつたえ隊 【映画でじぶんを変えてゆこう】

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「君の名は。」良かったトコロ④【握りこぶし】※ネタバレ注意

「君の名は」興行収入が91億円を超えました(9/22現在)! さすがポスト宮崎駿と呼ばれるだけありますね(おめでとうございます!)。これはリピーターが多いということなのでしょうか? それとも、クチコミに耐えられなくなった新規の客が映画館にむかったのか? 個人的にはいや~な月曜日を迎えるのにピッタリな映画だと思いますから、毎週日曜日に観に行くのもアリかと。とくに観終わった後の「おわった~」って感覚がいいよね。そのあと来る現実に戻りきれてない感じも。周りがファンタジーっぽく見える眼。そのまんま月曜を迎えれば、おおげさにリアルに向き合わなくてすみますから。そんなリピーターさんもいるかな~?

それでは、多くの方がおお~となった握りこぶしの使い方について

 

“あほバカ”ポスター

……と、その前に、このポスターについてだらだら。

最初ね~、宣伝に使われていた『自分たちの顔に“あほバカ”って書こうとしてる画像(ポスター)』を見てね~、アホっぽい主人公達だなあと思ったんですよ! やっすい恋愛映画かな、と。瀧、三葉(、そして制作者の皆さん)、すいませんでした!! 完全な早とちりでしたね。肌と油性ペンでこんなに感動させられることになるとは。宣伝も伏線になっていたんですね(この解釈は強引ですか?)。

この宣伝、若者を意識して、ということなのでしょう(そしてそれは成功している)が、個人的には時代遅れのようにも思いました。10年前にも見たことありそうって。多分そんなデジャヴも有効に働いたんじゃないでしょうか。「難しくなさそう」、「似たような作品みたことあるし理解しやすそう」って。そうすると軽い気持ちでチケット買えますからね。

まあ負の部分(中年以上には敬遠される可能性、痛くもかゆくもない?)もありますが、この直球さ、僕はむしろよかったと思います。アレコレ難しく考えてしまう時代だからこそ、逆に新しい。シンプルに、正直な姿で、これが大事なのかと。そういやこの“あほバカ”シーン、映画ではなかったですよね。見落としてる? 

 

好きだ

隕石落下を止めるさなか、やっと出会えた二人。忘れてしまわぬようお互いの手に名前を書こうとするが、途中でペンが落ちてしまう。ちゃんと名前は書けたのか? それとも書けなかったのか? 「どっちだ?」。この場面、観客の心の中にはこの二択があったんじゃないでしょうか。言いかえるとこの二択しかなかった。しかし実際に書かれていたのは予想外の言葉で……。

裏切り方が上手い!

文字が途中で終わっているのかな~と予想してましたが、いやはや……。見事に裏切られました。しかも!! 隕石落下と関連させて三葉の心情を表現しているのも上手い。バイクに乗って、走って。ギュッと握りしめてがんばってるときはわからない。でもそれでも迷ってしまったときに、見つけて勇気がもらえる。手が緊張とゆるみをうまく表現していましたね。個人的に思ったのは、隕石落下を解決してふっと緊張がとけたときに文字を見つける、という使い方もできたんじゃないか。監督もその展開を考慮したうえで、「町内放送は流れたの、三葉は生きてるの、どっち!?」という不安定さを採ったのではないかと(この解釈は強引ですか?PERT2)。

握りこぶしなんて毎日見ているわけで。自転車やバイクに乗ることも日常的によくあることで。誰にでも気づく(ひらめく)チャンスがあったんですよね。アイデアに気づくチャンスが。なのに、誰も気づかなかったわけで。発案者のガッツポーズが見えてくるようです。

こういうアイデアの見つけ方ができる人は、あの人すごいんだよって周りから言われますね。誰にでもチャンスはあったのにその人以外やらなかった。なんで気づけるの、思いつけるのって。そしてそういうアイデアその人(や作品)の転換点になるんですよね~。

ここから余談。この“握りこぶしの使い方”はこの作品の新しさの一つですが、こういう新しいことが思いつかないから創作(や会社経営)は苦労するんですよね(ほとんどのことはやられてしまったよorz)。いまごろ新海誠監督も次回作に向けて頭を悩ましているのでしょうか。それともPが考えるのかな? 楽しみ!!

 

次回、これはどうなの?って思ったところ。

では。