良いもんつたえ隊 【映画でじぶんを変えてゆこう】

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おすすめの海外ドラマ11選。『ウォーキングデッド』『24』…年末年始のお供にどうぞ!

「今」こそ見るべき海外ドラマ (星海社新書)

 

映画は一つのテーマを追求した宝石のようなものですが、海外ドラマは話の長期化多様化に伴って、人の心理、関係性、テロ、政治、捜査、歌謡、科学、医療、人道性など現実世界の多彩な側面を照らし出すプリズムです。

愛情、友情、嫉妬、嫌疑、詮索、不信、勇気、諦観、献身、裏切り、同志、敵対、暴力、癒し。人間の集団に現れるいろいろな顔が見られます。

 

そろそろやって来る年末年始。「暇だな~何しようかな?」と考えている皆さんに僕が観て楽しめた海外ドラマをご紹介しましょう。全11作品です!

 

Dr.HOUSE

 

Dr.HOUSE/ドクター・ハウス:シーズン6 バリューパック [DVD]

 

患者の立場が強くなく、医者との対等なやりとりが新鮮な海外ドラマ。「患者は必ず嘘をつく」が口癖のおじいちゃん医師ハウスが主人公です。患者をルービックキューブのようにこねくり回して面白がる。診断のために患者の家に不法侵入までして手がかりを探したりもする。倫理観がゆるゆるなハウスの姿はモラルの厳しい日本へのちょうどいい緩衝剤にもなりますね。

そんな不道徳な彼ですが、施す医療の結果が一番見えている人物でもある。「夜に安心して眠れる医者は一流じゃない」の一言に彼の隠れた責任感が見えますね。自分の選択が患者の生死を決めてしまう重荷をちゃんと自覚しています。ハウスを囲む6人のメンバー(↓)も個性豊かでとてもユニーク。奇抜なハウスにも引けをとらずに会議室でやりあう姿が観ていて楽しい。自分も議論に参加したくなります。

Dr.HOUSE/ドクター・ハウス シーズン2 バリューパック [DVD]

症状が証拠であり、細菌などの病原体が犯人である。純粋に医療ミステリーを追求しているのが面白いですね。医療“ドラマ”ではなく医療“ミステリー”。日本の『医龍』は手術のプロのチームでしたが、『Dr.HOUSE』は診断のプロの集団なのです。この点に今までのドラマにはなかった味があります。

オススメのシーズンは、

 

 

24 -TWENTY FOUR

 

24 -TWENTY FOUR- リデンプション [DVD]

 

タイトルでもう勝利が決まっている海外ドラマの定番。CTU(テロ対策ユニット)に所属するジャックバウアーが24時間テロリストと闘い続けるストーリー。献身と裏切り、人質救出における理想と現実、政治とテロの関係などを描いています。「24」時間後のラストの空に注目してください。テロリストとの闘争から解放されたジャックの心理や状況を、空の様子に上手く表現していますよ。

海外ドラマは1話1話の内容が違うオムニバス形式が多いのですが(主観的意見)、『24』は最初から最後まで話がつながっています。その分ストーリーへの感情も積もり積もってきて、「え~そいつが裏切り者だったの!?」「ここでこの人が死ぬんか~」と驚きも一層大きくなる。緊張と緩和のリズムが上手いドラマです。

装甲車の装甲を剥いでそれを盾にして銃弾の雨の中に飛び出したり。要人を安全な場所へ連れて行く途中の暗い坑道で、煙幕と弾の少ない銃だけでテロリストの数を徐々に減らしていったり。ミリタリー心をくすぐる戦闘の描写も面白い。ただこの『24』、実はドンパチしてないシーズンの方が面白いんですよね。そっちの方がストーリーや見せ方に工夫があります。

……ということでオススメのシーズンはです。

 

 

ウォーキング・デッド

 

ウォーキング・デッド コンパクト DVD-BOX シーズン5

 

ヒューマニズム作品。ゾンビに囲まれた極限の状況下での人間の悪意を描いた作品です。延々と悪意が発散されるかといえばそうでもなくて、悪意と牧歌的な映像が繰り返される不思議な雰囲気も特徴ですね。ダリル、グレン、リック。濃厚なキャラクターの描写も楽しみの一つですよ(毎回誰か死ぬけど)。

シーズン6の最終話ラストの演出は軽くトラウマ。一生心に残る演出でしたね(5日ぐらい回復しませんでした)。こういう恐怖の描き方もあるのだなと勉強になりました。死んだのは誰なのか……そんな終わり方もあるのですね。グロいのはメイクではなくて、演出です。工夫が凝らされています。

米ではシーズン7の放送が終わったそう(日本に来るのはいつになる?)。どのシーズンもラストの演出が憎いのですが、シーズン6はとくに続きが早く観たくなる終わり方でした!

オススメのシーズンは

 

 

プリズン・ブレイク

 

プリズン・ブレイク ファイナル・ブレイク [DVD]

 

何をしているのか、何をしたいのかが非常にわかりやすい脱獄モノ。なぜかドカンと爆発が起きて気がついたら脱獄していました~ではありません! 緻密な計算に基づいた方法で脱獄していてちゃんと納得できます。そしてその算段をストーリーに絡めて自然に視聴者に説明している点も上手い。テーマは脱獄だけではなく囚人一人一人の過去や人格を描いていたり、秀逸なカメラワークだったり。同じ脱獄モノの名作『ショーシャンクの空に』の美点をしっかり取り入れています。リアリティが高い。

全身のタトゥーに脱獄の設計図を潜ませるという斬新なアイデアで始まるシーズン1。トラブルの連続とそれを上手く計画に利用する柔軟な知性に目が離せない緊張感のある一話一話になっています。シーズン2は脱獄モノにしては珍しく牢獄の外での逃走劇がメインテーマ。斬新なストーリーで楽しめました。シーズン3、4はあまり評判がよろしくありませんが、僕は全部好きです。

主人公役のウェントワース・ミラーの理性的な雰囲気は必見! 吹き替えの透き通るような声もいいです!! オススメのシーズンは

 

 

『メンタリスト』

 

THE MENTALIST / メンタリスト 〈ファースト・シーズン〉コレクターズ・ボックス1 [DVD]

 

「体は大人、頭脳は子ども」を体現したようなイケメン刑事が、容疑者の弱点で遊びながらその目や動作を観察して嘘を暴いていく刑事ドラマ。題名の通り犯罪心理がメインのテーマです。『プラダを着た悪魔』で鬼のミランダを失墜させようとした遊び人っぽい男性役のサイモン・ベイカーがその中年刑事役を演じています。

血で笑顔を描くレッド・ジョンの捜査が物語の根底に流れます。主人公のジェーンは実はレッド・ジョンに彼の妻を殺された経験がある。それが犯罪コンサルタントとしてCBI(カリフォルニア州捜査局)に関わる彼の動機です。

Wikipediaでは、

 

2008年の新番組トップであり、『24 -TWENTY FOUR-』『LOST』といった強豪作品を抜き、新作としては唯一視聴者数ランキングTOP10に入っている(メンタリスト (テレビドラマ) - Wikipedia

 

と紹介されているほど人気を博した作品。ぜひベイカーの「大人という名の賢い子ども」の演技を楽しんでください!(こんな小学生おったな~)

「レッド・ジョン」の正体から目が離せない本作。オススメシーズンは

 

 

 

トゥルー・コーリング

 

トゥルー・コーリング Vol.1 [DVD]

 

死者の「助けて」(Help me)という言葉を聞くことができる死体安置所の女子大生が主人公。その言葉を聞くと強制的に前日(その人が死んでしまう一日)に戻されてしまう。そしてその人が死に至る前に助ける……という話。「あなたは今日死ぬ」と言っても信じてもらえないなかで相手をどう助けるかが見どころです。

主人公と同じように一日を巻き戻せる死神との戦いや(彼はむしろ死ぬ運命の人がちゃんと死ぬように誘導する)、騒がしいパーティのなか人に囲まれていて誰が「助けて」と呼んだのかわからない状況で繰り返しが起こったり(誰が死ぬのか誰を助けないといけないのかわからないまま前日をやり直さないといけない)。ミステリーと時間遡行の設定を上手く混ぜ合わせています。アイデアが光る海外ドラマですね。俳優も見た目よりも雰囲気や演技力で選んでいる点が好印象。

なお、シーズンは(+少しだけの2)しかありません(残念ながら打ち切り。なぜ!?)

 

 

ヴェロニカ・マーズ

 

ヴェロニカ・マーズ <ファースト・シーズン> Vol.1 [DVD]

 

セレブと不良の二つのグループが混在する町が舞台。主人公ヴェロニカ・マーズは父が営む探偵業を真似して、学校で起こる様々なトラブルの“捜査”にまい進します。物語の根底にあるのは親友が殺害された事件。真犯人は誰なのか、ラストにわかるその殺人者は意外な人物で……。

自分をつつきまわす軽薄な人間達に対してのヴェロニカのスマートな返しが面白い! “セリフ”はこの作品の見どころの一つですね。アメリカの社会に蔓延する病理をテーマにすることも多く、ユニークな社会派ドラマとしても好評を博しています。クラウドファンディングでファンから資金(200万ドルも!)を集めて映画製作を行ったほど根強い人気のある『ヴェロニカ・マーズ』。

オススメのシーズンは

 

 

『FRINGE/フリンジ』

 

FRINGE/フリンジ <ファースト・シーズン> コンプリート・セット (6枚組) [Blu-ray]

 

相対性理論が生み出した概念のひとつ“世界線”をテーマにしたSFドラマ。世界線の話はやがて世界「戦」の壮大な物語に変わります。パラレルワールドの住人同士の交流や闘争にリアリティを出すため、二つの世界の舞台美術と装置に多額のマネーが投じられています。もっともお金を費やして作られた海外ドラマとしても名高い本作。スター・トレック』『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で有名なJ・J・エイブラムスが製作に携わっています。

ウォルター・ビショップ役ジョン・ノーブルの「抽象的世界と現実の境界にあるスレスレの塀の上を歩いている科学者」らしい演技が素晴らしい(『ロード・オブ・ザ・リング』で息子を殺そうとしたゴンドールの一番偉い老君の役の人)。「タララン~」と冒頭に流れるBGMも秀逸です。

世界線をテーマにこんな話も作れるのかと感嘆した本作。オススメのシーズンは

 

 

『バーン・ノーティス』

 

バーン・ノーティス 元スパイの逆襲 シーズン7 (SEASONSコンパクト・ボックス) [DVD]

 

突然の解雇を宣告され(バーン・ノーティス)、身分もお金も何もかもを失った元CIAのスパイが主人公。きらびやかなマイアミの街で起こる事件をCIAでの経験をもとに解決していきながら、自分を解雇した黒幕を追求するという話。「自分がスパイだったら今いる日常のシーンでどう考えて行動するか」という妄想を映像にしたようなイメージ。

この『バーン・ノーティス』は吹き替えが非常に豪華で、ルパンを演じていた声優栗田貫一が主人公の声も演じてます。「こういうのもアリか!」と感心しました。一つ一つの話も面白くてCIAで百戦錬磨のマイケルが子どもにケンカで勝つ方法を教えたり。元CIAという設定を上手く使って脚本を練っている印象。マイアミの開放的な景観も住んでみたくなりますね。

オススメのシーズンは

 

 

ブレイキング・バッド

 

ソフトシェル ブレイキング・バッド シーズン1 BOX(3枚組) [DVD]

 

非常に心地よい雰囲気の作品。夜寝る前に流すと自然に寝付けます。そのためあんまり見れてないのですがorz(シーズン2途中までしか進んでない……)。内容はウォルターという化学教師(↑)がガンの宣告を受け、自暴自棄になって麻薬の製造販売に手を染めていくという話。道徳の押し付けがまったくなく、音もほとんどない映像が本作の独特な雰囲気を作っていますね。ネットで評判を聞くかぎりではシーズンを増すごとに面白さも跳ね上がっていくらしい。これからが楽しみです。

オススメのシーズンは(しか見れていない……頑張らナイト!)

 

 

glee/グリー』

 

glee/グリー シーズン1 <SEASONSコンパクト・ボックス> [DVD]

 

社会的少数派(「デブ」「ゲイ」「車いす」などなど)の学校内での地位の低さ(スクールカースト最下層の環境)とそれでも楽しそうに歌う姿に観ている人も自ずと惹かれていくミュージカル・ドラマ。「glee」とは「自分を解放し歓喜する」こと。本作を観ると自分も「glee」な状態に持っていかれます。

いろいろなマイノリティの状況を描いたドラマなのですが、とくにゲイの息子と彼を男らしく育てたかった父親の葛藤の話が面白い。glee』はミュージカル演出が基盤にありコメディチックな作品なのですが、この二人の関係だけ妙にリアリティーがありましたね。お二人の演技も巧みで、実際の人間を見ているようでした。

名曲のカバーを披露するシーンが多い本作(一話に3,4曲も披露されます)。そのカバーの中ではろう学校の生徒達がジョンレノンの名曲『Imagine』を合唱する話が好き。オリビアニュートンジョンの『Physical』もこのドラマで初めて知って衝撃を受けました。洋楽の入門にもぴったりですね。

シーズン1第一話を見れば作品の独特な雰囲気は大体わかりますよ。

 

以上、海外ドラマ11作品の紹介でした! ぜひ一度手に取ってみてください!!

 

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