Photoshop要らず! 無料グラフィックソフトGIMPで動物を可愛くレタッチ
ほぼクリックするだけ、無料グラフィックソフト『GIMP』なら写真の加工が簡単にできます!
描く必要一切なし! 操作はほとんどクリックだけで終わりますから非常に簡単です。慣れればiPod二曲聴いている間に終わります。高価なフォトショップを用意する必要もありません。実際に↓の写真群はGIMPを開いてクリックしていくだけで作ることができました。
↓GIMPの機能の一つ『ポスタリゼーション』で写真を加工してみました
↓『パレットマップ』『ネオン光彩』などGIMPの様々な機能で遊んでみました
↑のような画像がすぐにできます。こんなに簡単なんだと感動しまして。このソフト、この機能、みなさんに紹介したい! ということで今回記事にさせて頂きました。
GIMPにはブログのタイトル画像やTwitterのアイコン、ポストカード(はがき)のイラストを用意するのに便利な機能がたくさんあります。GIMPで加工した写真をSNSにアップして反応を楽しむのもいいですね。みんなで楽しめますから。たった一日で他の人と差をつけることができますので、この機会にぜひ!
なお、GIMPを操作するにあたって覚えていてほしいことがあります。それはオリジナルの画像を上書きしない よう注意することです。保存は必ず「名前を付けて保存」を選択してください。
GIMPのインストール方法、基本的な操作のしかた、名前を付けて保存する方法などは下の記事でキャプチャ画像付きで説明していますので、適宜参考にしてください。
iimonntsutaetai.hatenablog.com
「こんなことできるんか~」「この機能あの写真に使えそうやな」と楽しんでもらえたらホントにホントに嬉しいです。いいプログラムですから。
画像を詰め込めるだけ詰め込みましたのでページが少し重いかもしれません……が続きを読んで頂けたら光栄です。
↓目次です
元画像一覧
(↑の画像はフリー写真素材サイト『写真AC』、『ぱくたそ』を利用しています)
画像(写真)を開く
画面左上の[ファイル]→[開く]で写真を選ぶダイアログが表示されます。目的の写真を選択して「開く」をクリックすればOK。
↓GIMPの画面に写真が表示されました
写真を開いた状態で様々な加工をしていきます。
写真を適度にぼやかせてイラスト風にする
さっそくGIMPの機能を使っていきましょう。紹介する機能一つ目は『ポスタリゼーション』です。
ポスタリゼーション(おすすめ!)
【操作手順】
① 画面真ん中上の[色]→[ポスタリゼーション]を選択。
② 表示されるダイアログ↓で「ポスタリゼーションのレベル」の数値をいじります。
↓ポスタリゼーションのレベルを7に変更しました。写真の色合いが変わっていますね。
↓最後に「OK」をクリック。優しい雰囲気に変わりました! 題名『こねこをモフモフ』
このように『ポスタリゼーション』を使うことで写真の色数を減らして、柔らかいイラストに変えることができます。↑のネコとは逆にポスタリゼーションレベルの数値を小さくすると、コントラストの効いた激しい写真にすることも可能です。
様々な写真にポスタリゼーションを適用してみたので↓、写真がどう変わっているかを楽しんでください!
【様々な写真を加工してみた】
()の中の数値は適用したポスタリゼーションレベルの値です。
『神の使い』(3)鳥居にいる猫のような神々しさが現れました
『犬と猫』(8)美術館に飾ってそうな絵になった
『春の訪れ』(3)後ろの光がいいですね
ポスタリゼーションレベルの数値を小さくするとコントラストがはっきりします↓。
『夕陽のライオン』(2)太陽を浴びた顔がギラギラしています
『鳥の置物』(2)包装紙みたい
【講評と感想】
ポスタリゼーションレベルの数値を下げると明るく鮮やかになりましたね。コントラストがはっきりして目を強く惹きつけます。一方、数値を大きくすると穏やかな色合いになります。『こねこ』や『犬と猫』のように動物の毛をふんわりやわらかく表現するのに最適!
『ポスタリゼーション』機能は汎用性が非常に高く、ほとんどの画像に適用することができます。個人的には遊んでみて楽しい機能第一位ですね。写真を開いたら最初に使うGIMPの機能です。
ポスターや包装紙のイラスト作りにも便利ですよ。同じように写真をぼやかせる方法として『油絵化』『キュービズム』が用意されています↓。
油絵化
【操作手順】
① 画面真ん中上の[フィルター]→[芸術的効果]→[油絵化]を順に選択。
② 小さな正方形のプレビュー画面を見ながら数値をいじって(いじらなくても結構上手くいきます)「OK」をクリック。
↓油絵のようになりました! こちらは色をあまり広げずに滲ませる感じ。『こねこの油絵』
『金魚』(数値はいじらず)元が写真とは思えないくらい上手く油絵化できました
【講評と感想】
まさしく油絵。デジタルで処理したとは思えないほど高いクオリティで写真を加工できます。また、数値をいじることで細かく調整できるのもグッド。自分でチューニングしやすい機能ですね。
キュービズム
【操作手順】
① 画面真ん中上の[フィルター]→[芸術的効果]→[キュービズム]を順に選択。
② 初期設定ではかなり荒い(プレビュー画面のネコの顔)ので「タイルサイズ」の数値を小さくします。
↓顔がはっきりしました! しかし黒い粒が見えてしまっています。「タイル彩度」の数値を少し大きくして調節しましょう(③)。
↓プレビュー画面の猫の顔がきれいになりました! 最後に「OK」をクリックします(④)。
↓キュービズムが適用されました! 題名『あくびをする猫』。道路とのぼやけ具合のコントラストがまたいい!
【講評と感想】
『ポスタリゼーション』『油絵化』とは違った味が『キュービズム』では出せます。色を細かく変えながら塗った油絵のような感じでしょうか。個人的にはデジタルで処理した感じがよく出てて好き。モザイク画のようですね。
上二つに比べると汎用性は劣るイメージです。が、写真の対象物に対して奥の風景がぼやけた写真には強い。『キュービズム』でしか出せない雰囲気に加工することが出来ますね。
写真に様々な効果を加える
続いて写真に様々な効果を加えてみましょう。↑とは違い大きく写真を変えることができます。最初は『パレットマップ』機能です。
GrayViolet
【操作手順】
まず、↓の『パレットマップ』タブを追加します(この操作は最初だけです)。
① 「レイヤー-パターン」の右上にある矢印をクリック。表示される画面で[タブの追加]→[パレット]をクリックします。
↓パレットタブが追加されました。追加されたカラフルなタブをクリックします。下にズラッとオプションが表示されますので「GrayViolet」を探して選択してください(②)。
③ 画面真ん中上の[色]→[カラーマッピング]→[パレットマップ]を順に選択。↑で選んだパレットの色が塗られます。
↓GrayVioletで塗られました! 神々しくなりましたね。前のおっさん「ふぅ~ごくらく~ごくらく~」後ろの子分「きったね~背中だな」
う~ん昭和の写真みたい! 温泉に男二人がどっぷり浸かってるみたいな。地獄谷温泉で撮影されたものでしょうか。『旅猿』の東野岡村のペアみたいですね。
『村の猫』
妖怪?
【講評と感想】
まだ流行っていない珍しい玄人風のイラストになりますね。高名な写真家の作品っぽい。ブログのタイトル画像やTwitterアイコンに使うとその道のプロって感じがしてサイトの信頼性がかなり高まりそう。幅広い画像に使えるのも器用ですね。
Paintjet
【操作手順】
① パレットタブをクリックして「Paintjet」を選択する。
② GrayVioletの時と同様に[色]→[カラーマッピング]→[パレットマップ]を順に選択すればOK。
『カモメ・ジョナサン』海外のTシャツみたいなイラスト
『二匹の金魚』かなり派手ですね
【講評と感想】
こういうTシャツあるよね。『Paintjet』はTシャツのプリント用のイラストを考えるときの一つの選択肢になりえるかな。色はチョットしんどいかも。あえてこういうTシャツを着て目を向けられないようにするとか(……ないか)。上手く適用できる写真が少ないのが残念ですね。線がごちゃごちゃしている(毛が多いとか)写真は不向き。
小さくして並べる
【操作手順】
① 画面真ん中上の[フィルター]→[マップ]→[小さくして並べる]を順に選択。
② 表示されるダイアログで「区切りの数」を自由に選択します。例では「3」に変えています↓。
↓こねこ9分割(3の2乗=9)。かわいさも9倍!
【講評と感想】
どうなるか予想するのが簡単な効果ですね。分割するだけ。分割するだけなのに可愛い写真はよりかわいく、オシャレな写真はよりオシャレに変えることができます。分割した写真をブロックごとに修正できるようになると一気に面白くなる。そんな機能。
柔らかい発光
【操作手順】
① 画面真ん中上の[フィルター]→[芸術的効果]→[柔らかい発光]を順に選択。
② 表示されるダイアログで明るさ等を調整します。最後に「OK」をクリック。
↓柔らかいライトに当たったようになりました
写真屋に置いていそうな画像になったね。若干セピア調?
『メジロ』
春の訪れの淡い感じが出ていますね。 メジロの「目の白」が際立ってるのがいい。
【講評と感想】
春の季節感や動物の愛らしさがよく出せていますね。『柔らかい発光』で写真を加工すると↑のように優しい写真ができあがります。まだ小さいお子さんやのどかな風景の写真にもオススメ。
集中線(サムネイルっぽくなります)
【操作手順】
① 画面真ん中上の[フィルター]→[下塗り]→[集中線]を順に選択。
② 表示されるダイアログで線の数や中心半径(オフセット半径)を自由に変えます。最後に「OK」をクリック。
↓集中線が付け足されました
猫の顔に集中線が覆いかぶさってしまっていて、見にくい画像になっちゃってますね。オフセット半径の数値を大きくして修正してみましょう↓。
オフセット半径を100から150に変更します。
↓顔がよく見えるようになりました! ネコ「俺にいってんの」
【講評と感想】
アイキャッチ画像にイケる! 『集中線』機能を使うとコミカルな感じになります。TwitterやYoutubeのアイコンに使うと目を惹きそうですね。まとめサイトなどでよく見かけますが、こんなふうに作っているのでしょうか。そんな疑問がふとわきました。
輪郭を幻想的になぞる
輪郭を抽出して加工する機能を使ってみましょう。幻想的な雰囲気を出したり、彫りの深い写真を作ることができます。
輪郭
【操作手順】
① 画面真ん中上の[フィルター]→[輪郭抽出]→[輪郭]を順に選択。
② 表示されるダイアログでそのまま「OK」をクリック(「アルゴリズム」で輪郭の抽出方法を、「量」でコントラストの強弱を変えられます)。
↓輪郭が彩られました! 題名『幻獣』
可愛い系の幻のモンスターみたい。レアカードでキラキラしてそう(闇属性かな)。
『閉鎖した店の夜』
鮮やかだけどちょっと怖いね。
【講評と感想】
暗闇に浮かび上がる輪郭を描きます。↑の猫の毛の燃えるような質感がいいですね。置物や飾りを加工するのにも適しています。オシャレなダンスクラブに着ていくと似合いそうなイラストですね。
ネオン光彩
【操作手順】
① 画面真ん中上の[フィルター]→[輪郭抽出]→[ネオン光彩]を順に選択。
② 表示されるダイアログで「半径」で明るさを調節する。例では4に設定しました。
↓ネオン光彩が適用されました! 暗闇の中で鮮やかに体が光っていますね。『回るピラニア』
『メジロの夜世界』……渋い
スナックやバーに置いてそうな絵になりましたね。毛の質感がいい。
『ナイト・ライオン・キング』ディズニーアニメーションのワンカットな感じ。
『お祭りの終わり』ふちの青が綺麗。
【講評と感想】
周りが夜の闇のようになり、輪郭が暗闇によく映える色彩に変化していますね。面白い加工の仕方です。たまに上手くいかない写真もありますが基本的には使いやすい機能です、『ネオン光彩』。夜に使うもの(夜店の看板や夜に着ていく服)やお祭りなどの遅いイベントに似合いそうですね。
プレデター
【操作手順】
① 画面真ん中上の[フィルター]→[芸術的効果]→[プレデター]を順に選択。
② 表示されるダイアログで「OK」をクリック(数値はいじらなくてもOKです。なお、「エッジ量」の数値を大きくすると読み取られる輪郭線が多くなります)。
↓そのままOKしてみました! 『サーモグラフィな夜』
『異次元の世界で出会った猫』
元が鮮やかな写真はなかなか上手く効果が出ません。一度ポスタリゼーションで色相を穏やかにしてから『プレデター』を加えることをオススメします。
↓ポスタリゼーション(ポスタリゼーションレベル「3」)で写真を加工してからプレデターを適用してみました(↑のメジロと見比べてみると線の数が少なくなってドット絵のようになりましたね。色も増えて鮮やかです)。
【講評と感想】
ピピピピピッていう電子音が聞こえてきそうな絵ですね。デジタルワールドに行ったみたい(八神太一かな)。この『プレデター』、あんまり上手くいかないことが多い印象ですね。きれいに適用できる場合が少ない。↑のメジロのようにポスタリゼーションで色相を穏やかにしてからやるといいですね。
バンプマップ
【操作手順】
① 画面真ん中上の[フィルター]→[マップ]→[バンプマップ]を順に選択。
② 表示されるダイアログでプレビュー画面を見ながら数値を変えていきます。とくに深度を変えると画像の変化がわかりやすいです↓。
↓バンプマップ適用後。銭湯に大きく描かれていそうですね。題名『猿の浴場』
『春の鳥』(深度30)
こちらは旅館に飾られていそうな絵になりました。
【講評と感想】
『バンプマップ』を適用することで輪郭の彫りを深くすることができます。数値(とくに深度)をいじることである程度コントロールしやすく、様々な写真に適用できる点もポイント。写真によって元画像とバンプマップ適用後の印象の変化が違うのも面白い。「あの写真ではあういう風になったけど、この写真では全然違う感じに変わったな~」となるのもしょっちゅう(なぜに説明口調)。使い道も広くロゴ作成にもよく用います。遊んでみて楽しい機能第二位!(個人的ランキング)。
漫画
【操作手順】
① 画面真ん中上の[フィルター]→[芸術的効果]→[漫画]を順に選択。
表示されるダイアログで「OK」をクリック(「黒の割合」で画面に加える黒の量を変えたりすることもできますが、そのままOKでもよい)。
↓漫画が適用されました! 『ヒョウの皮をかぶったライオン』
輪郭をGペン(漫画でよく使われる)でなぞったようになりましたね。
『鳥の置物』にも適用してみました。輪郭がはっきり縁取られます。
【講評と感想】
画像の輪郭を漫画さながらの「ペンで描いた風」に彩ることができます。ただ、残念ですが今回挙げた機能の中で、『漫画』は「使えない度No.1」の機能ですね。使い道があまりない。一度ポスタリゼーション等で輪郭の数を減らしてから漫画で加工するとよい。
加工した写真に枠を付けてポストカードやブログに使える画像にしてみよう!
↑で加工した写真にさらに+αしてみましょう。↑では画像の中身を変化させてみましたが、ここでは画像のふちを装飾します。
ファジー縁取り
↑のような柔らかいふちをGIMPの機能『ファジー縁取り』で作成してみましょう。
【操作手順】
① 画面真ん中上の[フィルター]→[装飾]→[ファジー縁取り]を順に選択。
② 表示されるダイアログで色や枠の大きさを変更します。ここでは変えずにOKをそのまま押してみます。
↓縁を白くぼかすことができました! ポストカードに使えそうですね。
枠の追加
↓のように固い縁を作ることも可能です。こちらはブログにアップしたりするときに画像を目立たせるのに便利。
【操作の手順】
① 画面真ん中上の[フィルター]→[装飾]→[枠の追加]を順に選択。
② 表示されるダイアログで枠の大きさや色を自由に選択します。ここでは枠の色をはてなブログの文字の色に変更してみましょう。まず、↓の赤〇で囲った部分をクリックします。
↓数値を変えて色を選択します。「はてなブログ」の文字の色にするには同じ数値を入れてください。
↓枠が追加されました! 画像が引き締まりましたね。このままブログにアップできる。
このように枠を加えることでポストカードにしたりブログに投稿したりするのに適した画像に加工できます。枠を付ければ画像がより際立ちますから。ちょっとした+αですが、その効果は絶大! ……かも。
以上で終了ですが、楽しめましたでしょうか。無料ソフトGIMPなら簡単に写真を加工装飾することができますので、こういう選択肢もあると覚えていてもらえれば嬉しいです。
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