「君の名は。」もんだいてん?考察(PERT2)
もんだいてんPERT2。
「君の名は。」興行収入100億円突破、おめでとうございます!! 2,3個前の記事に91億円を突破したと記載しましたが、5日ぐらい(?)で9億円プラスするとは。いやはや……。しかも、Y!ニュースによると聖地の飛騨市と高山市には映画館がないんですって。それでこの数字!
もし聖地に映画館があったら? 興行収入は2倍くらい増える? それともたいして影響ない? 過去の映画で、聖地の映画館がどれだけ興行収入をあげているか(ほかの映画館との差はどれくらいか)、を調べてみても面白いですね。「舞台は“映画館のある場所”を設定しましょう」という創作指南書ができたりして。まあ新海誠監督は風景が気に入って飛騨市高山市を舞台にしたんだと思いますが。
前の記事で「三年のズレに気付かない?」「一日の記憶がなくとも平気でいられる?」という題で話しましたが、ほかにも気になったことが。
キャラに魅力があんまり……。
三葉や瀧、そしてサイドキャラに魅力は正直感じませんでした。
以下、おもな副キャラとその評価。
【描写がよかった人たち】
おばあちゃん:生涯を通して何かをやり続けた老人特有の近寄りがたさが表現されてましたね。パーソナルエリアというか、威風というか。そんなオーラ(輪郭)や含みが見えるようでした。変にリアリティあったなあ、おばあちゃん。
妹よつば:声優(谷花音)がよかったですね。子どもらしい考える前に発言する無垢さがよく出てました。威勢のいい高音。子どもキャラを子どもが演じてるの大好き。
【描写がよくなかった人たち】
父:現実の父親に通じるリアリティーはあったが、描写が少なく、浅い。そのためよくみる頑固おやじキャラの域をでない(スピンオフ小説では結構な分量で、父親に描写が割かれているらしいです。読んでみると不満を解消できるかも! まったく関係ないが『クレヨンしんちゃん』では、頑固おやじのみさえ父にちゃらんぽらんのひろし父をぶつけることで個性を出してたんかとふいと思いました。関係ねえ。)
美人の先輩:キャラデザとオシャレさだけで“大人の女性”を表現しようとしているように見えた。瀧の心理を見抜く場面(「瀧くんは別の人に好意を持っているのよ」)も人生の先輩の描き方としてはありきたり。ファッション雑誌の表紙を飾っている人が大人の女性なのではない。現実でも、映画でも。
瀧の友人(メガネとごついやつ):主人公の友達ってだいたい二人で、頭いいやつと頭悪いやつ。この二人、学園モノのアニメーション映画では毎回でてくる気がするんですよね。助演によく抜擢される器用な役者みたいな(イメージは戸次重幸?)。オリジナリティーは感じなかったな。
三葉の同級生(テッシー、三つ編みの女の子):瀧の友人よりマシでしたが、それでもどっかで見た感は否めません。
迷惑な客:これ。チンピラにカッターナイフは必需品なんか? やってることがあまりにも……。こんなヤツがいるほど、東京は人間のるつぼということなのか。う~ん、都会にまったくなじみないからなあ、わからん。東京はともだち、こわくないよ?
そして瀧よ。初対面の女性に「誰おまえ」、って言うかふつう。中学生(瀧にとっては三年前のことだから)だったとしても言葉遣いが乱暴すぎぃ↑ イスもけるし。友人との会話がバイトの話ばっかってのもなあ、厳しい言い方ですが、低俗。
口噛み酒のリアクションもな~。もっとウエェってなってもよかったのでは。三年前やし唾液まじりやし。この指摘は、こまかい?
よくいえば。
よくいえば等身大でしたね。深みを出さないぶん、わかりやすい、受け入れやすい。結果、万人向けになった(⇒「君の名は。」のレベルがあがった! “こうぎょうしゅうにゅう”があがった! “しんかいまこと”のちめいどがあがった! “ひょうか”がさがった! ……かも。失礼ないい方、お許しください)。思ったことをビシバシ言うキャラっていうのも理解を促進してますね。彼らの頭の中を考える必要がなくなった、と。仕事でアッタマ使ってんのに娯楽でも使いたくないよ、という時代なのかもしれませんね。
もちろん恋の悩みはペラペラしゃべるのではなく、ちょっとした動作や象徴的なシーン(小道具)で表現していました。
他にも。
やさしく交流しながら伝統を守るおばあちゃんと三葉の関係は、(しきたりを強制する家族とそれに反発する子ども、という構図を描くものが多い中)めずらしさと現実感があって良かった。
とくに主人公たちの、『説明調っぽい語りをする宮崎駿キャラ』と『感情をアニメらしい過剰さで表現する細田守キャラ』を融合させた感じはいいと思いました。新海誠は宮崎駿と細田守のあいだではないけど。
隕石が落ちようとしてるときに互いを想いあってる余裕あるかとか(ちょっとはあってもよかったけど流石に時間使いすぎ)、中盤が少したるかったな~とかもありましたけど。観れてよかった!
ただ失礼ですが、超うえから目線ですが、監督には人間をみる眼を養ってほしい。
最後は大ヒットした理由について。
↓人気商品まとめ(Amazon星4.5以上、9/26現在)